ロックファッション
ロックファッション、という言葉にどのようなイメージを浮かべるでしょうか。
ロックファッションは当然ロック音楽から派生したジャンルです。ロック音楽のミュージシャンが見につけている衣装、スタイルを元にしています。
これは60年代、ロックというジャンルが大ブームを起こし、社会現象とも言えるほどの人気を博した時期に生まれました。ロックが持っている反体制的なアティテュードを端的に示す手段としてロックファッションは非常に便利なものでした。長髪、革ジャン、ジーンズ。「デニム&レザー」といった言葉も生まれ、ロックファッションを身にまとうことが自らの価値観や美意識の表明にもなったのでした。
しかし、時代が移り変わっていくにつれ、少しずつ変化が生じてきます。音楽が持っていた精神性は失われ、ファッションの1ジャンルとしての意味合いが強くなっていきます。また、80年代以降、ロック音楽というジャンルそのものが多様化・細分化したことでアーティストもさまざまな衣装を身にまとうようになりました。それによってスタイルや価値観も多様化、細分化の道をたどり、ロック音楽ファンが着るファッションとロックファッションとの間にズレが生じることも多くなりました。
90年代には革ジャンやジーンズといったクラシックなロックファッションが「ダサい」という評価を受けたこともありました。
日本においては欧米に比べロックを文化として捉える意識が希薄なこと、ロックそのものに対する理解不足もあってロックファッションを身にまとう人間に対する偏見が強い傾向があります。またパンクファッションとの区別がつかず混同されていることもあります。さらにパンクファッション、ロックファッションを着用している人たちの間でも区別がついていないことも多く、店舗などでも同じジャンルとして扱われていることもあります。
ロックファッションはいわば「ストリート系」の草分けともいえるジャンルですが、保守的な面もあるため、トレンドに敏感なストリート系愛好者からは省みられない傾向もあります。
現状としてロックファッションはまだまだひとつのジャンルとして浸透しているとは言えないでしょう。パンクファッションのようにジャンルとして確立しつつもパンク音楽とはかけ離れてしまった例もあるので、浸透していないことがいいことなのか悪いことなのか判断が難しいところです。ただロック音楽のファンがいる限り廃れることなく受け継がれることだけは間違いないでしょう。